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< 講座テキスト >
菊池康郎師、溝上知親九段
第3回
「人真似はしない その3」
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【テーマ図・黒番】 |
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この局面で、どういう方向に打っていけばいいでしょうか。布石では正解が一つとは限りません。むしろ十人十色、いろいろな発想があるのが自然です。講師の菊池、溝上の二人でも意見が割れるところですから、みなさんも自由な発想で自分流の布石を考えてください。(この問題は選択肢なしです)
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黒1は模様の中心点で、ここに打っておけば間違いないというようなところですが、白に響かないのがやや物足りないかもしれません。白2やaなど、白からの進入も容易です。
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(溝上推奨)
黒1が模様を拡大する好点です。次に黒2のトビ込みを見ていますから、白2と受ければ自然です。黒は3、5のツケノビから、どんどん模様を広げていって、思惑通りの展開です。
白も14とノビて左下方面が模様化されますが、黒15の三々入りがピッタリで、この流れは黒が気持ちのいいところでしょう。
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黒1に対して、白は下から受けるのを拒否するかもしれません。白2とケイマに被ってくることも考えられます。
白が受けないのですから、黒3のトビコミは当然です。白4と断点を補うのが厚い手ですが、黒5で右下方面を制して、黒に不満はありません。このあと白6に囲うか、aのボウシくらいになりそうです。
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黒1と二間にツメるのは、ふつうの手ではありますが、白2のボウシがピッタリになります。黒3のトビに、さらに白4とボウシして、左辺から下辺にかけた白の幅がよく見えます。
この展開を想定すると、黒1は打ちづらいかもしれません。黒はもっと高く、5線以上の位置に打ちたいとろこでした。
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左下、黒1に入るのは、この碁では気分が出ません。白2のコスミツケから、8とケイマに出ていって、自然に右辺の黒模様が消されてしまうでしょう。
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(菊池推奨)
布石は一番楽しい場面ですから、固定観念にとらわれないで、自由に構想を練りましょう。その日の気分によって打ち方が変わるくらい、気楽に考えてよいのです。
黒1と、5線どころか7線の手です。模様拡大の好位置ではないでしょうか。
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白の応手としては、たとえば1のボウシで黒の進出を止めてくるかもしれません。これには、黒2のケイマがいいでしょう。白3なら、さらに黒4と広げて、模様比べなら負けません。なんとなく、黒がいい感じに見えませんか。
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白も1と上辺に臨む感じかもしれません。これには黒2の一間から4とボウシするくらいでしょうか。△は、模様を大切にする打ち方でした。
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今回は模様の碁で、布石の考え方を学んでもらいました。菊池、溝上で着手は違いましたが、模様を大事にする発想は同じでした。模様の碁は、急に地に走ったりせず、中央の打ち方を楽しんでください。 |
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