●1日目…囲碁の紹介
[3]勝ち負けの基準(地が多い方が勝ち)
勝負は、それぞれの作った陣地が多い方が勝ちですから、少しでもたくさん陣地にしましょう。もちろん、それにはコツがあって、打ち始めのころから勝負が付くまで、常に自分の陣地を増やすか、相手の地を減らすために工夫を凝らします。
7図を見ていただきましょう。黒石が囲った×印の地点を数えてください。×印が15個ありますから、これを15目の地と言います。地を目(もく)と言うのが囲碁の地の数え方です。白が囲った×印の地点は12個ですから、12目の地です。15-12=3で黒の地が3目多いことになります。この図は数えやすいように、簡潔な形にしてありますが、まだ☆色のところが空いていますから、実際はまだ勝負は終わっていません。
もう少し、石を接近させましょう。8図を見てください。黒と白がそれぞれ2カ所ずつ囲っています。黒のAの地が11目あります。Bも黒の地で8目ですから、黒は11+8=19目の地を持っています。白の地はCとDのところです。まずCの白地が10目で、もう一つのDの白が8目です。白地は10+8=18目になります。19-18=1で黒地が1目多いことが分かります。黒が1目多いのですから、勝負は黒の1目勝ちということになります。
【応用】9図の黒地と白地を比べてみましょう。黒地のAは10目ですね。Bは6目ですから、合計で16目です。白地はCが8目で、Dの地が5目ですから、合計で13目です。差し引いて、黒地が3目多いですから、黒の3目勝ちでした。
【実戦例①】10図を見ていただきましょう。黒1から順番に打った実戦例です。白2、黒3と進んで、白8まで示しました。全体を眺めていただくと、何となく黒は→の方向を囲っていますから、このあたりが黒地になりそうに見えるでしょう。白も→の方向が白地になりそうです。細かいことはともかく、だいたいの見当が付けば十分です。
【実戦例②】11図も実戦例です。黒1から順に白10、黒11まで進んでいます。これも右側の→の方向が黒地になりそうです。白は左側の→の方向を囲っています。だいたいそうなりそうだと、感じていただけるでしょうか。
【実戦例③】12図は方向が変わりました。黒1から黒3、黒5と進んで黒9まで打って、黒は→の下の方向を囲いました。白2から白10まで、白は→の上の方向を陣地にしようとしています。だいたいこんなふうに打つのですが、何となく真似をしていただければけっこうです。初めは模倣から入るのが、囲碁を理解する近道になるでしょう。
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