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5日目…生き死に- [1]二眼の生き

碁は互いの地の大きさを競うゲームですが、相手の石の天地左右をぴったり封鎖すれば、その石を抜くことができます。また、相手が生きるスペースを奪えば、その石は死んでいますので、終局後に取り上げることができるのです。相手の石を取ったり、殺したりするのも、囲碁の醍醐味の一つです。覚えたばかりのころは、この魅力に取りつかれるかもしれません。

●5日目…生き死に

碁は互いの地の大きさを競うゲームですが、相手の石の天地左右をぴったり封鎖すれば、その石を抜くことができます。また、相手が生きるスペースを奪えば、その石は死んでいますので、終局後に取り上げることができるのです。相手の石を取ったり、殺したりするのも、囲碁の醍醐味の一つです。覚えたばかりのころは、この魅力に取りつかれるかもしれません。


[1]二眼の生き

a.最小の生き
・ 相手が打てないスペースを二つ作るのが、石を生きる最小の形です。1図が二眼の生きです。黒の天地左右を白石で覆っていますが、×印の二カ所だけは空いています。

1図

次に白から、2図の×の地点に打っても、その白石自体が黒に包囲されていますから、打った途端に黒に抜かれてしまう状態です。ここは「禁じ手」で、基本的に自分が取られる地点に打つことはできません。

2図

・ これが、3図の場合は違ってきます。黒の空いている地点は×印の一つですから、この黒は生きていません。ここに白が打てば、白石も周囲を黒に囲まれていますが、黒の空いている地点も一つしかありません。

3図

4図のように、白1と打てば、黒石を取り上げることができるのです。空いている地点が一つの場合は、「一眼」と言って、その石は死んでいるのです。

4図

・ 5図の場合はどうでしょう。

5図

黒番なら、6図のように、黒1と打って、1図の生きている形に戻ります。もう白から手のつけようがありません。

6図

しかし、白番なら、7図の白1で、黒は一眼になります。まだ×印の地点は空いていますが、黒からここに打っても二つの眼はできませんから、どうやっても黒は「一眼」です。つまり、この黒はすでに死んでいるのです。「お前はもう死んでいる」なんて、どこかで聞いたことがあるセリフですが、対局中に口に出すのは止めましょう。「あんた、この石はもう死んでるよ」なんて言われたら、相手は恥ずかしいやら、頭に来るやら、ろくなことがありません。囲碁は品よく打ちましょう。どうしても相手に気づいて欲しいのなら、「勘違いされていませんか」くらいにしておきましょう。

7図

b.辺の場合
・  辺の石は、二眼作るのが楽になります。8図の黒はこれで生きています。黒は周囲を白に囲まれていますが、×印の二カ所が空いていますから、「二眼」の生きです。白からどちらも入ることができません。

8図

もちろん、9図の場合は死んでいます。黒は×印の一カ所しか空いていませんから、

9図

10図、白1と打たれれば、この黒は取り上げられてしまいます。

10図

・ 11図の場合はどうでしょう。

11図

黒番なら、12図の黒1で「二眼」作って生きることができます。

12図

逆に白番なら、13図の白1で黒が死にです。まだ×印のところは空いていますが、ここに黒の眼を作ることはできませんから、既に「一眼」の死になのです。

13図

c.「二眼」は二カ所
・ 14図は、同じように×印が二つ空いていますが、これは生きません。

14図

15図のように白1と打てば、黒が白1の一子を取っても「一眼」ですから死んでいます。

15図

16図、また、先に黒1と打っても意味がありませんから、つまり、14図は生きる余地がなかったのです。

16図

d.三カ所の場合
・ 17図は空いているのが、×印の三カ所です。三つあるからといって油断はできません。

17図

18図のように、黒番なら黒1と打って、空いているところが×印の二カ所で生きていますが、白番だと事情が違います。

18図

19図、白1と真ん中に打たれると、黒が「一眼」になってしまうのです。もう黒からは手出しができません。

19図

20図、黒1と打っても、この状況はすでに黒の「一眼」ですし、

20図

21図、白1と打たれれば黒石は抜かれてしまいます。

21図

e.四カ所の場合
・ 22図、今度は空いてるところが×印の四カ所です。これは白から先に打たれても生きています。

22図

23図の白1と打っても、黒2で黒の空いているところが二カ所になりますから、これは白から手が出ません。

23図


24図を見ていただきましょう。白からaに打つと自分が取られる形ですから、ここは禁じ手で打てません。bも同じように打てませんから、白からはどうにもならない形なのです。

24図

・ ただし、同じ四カ所空いていても、形が変わると結果も違ってきます。25図も四カ所空いていますが、これは既に死んでいる形です。

25図

26図、黒が先に打って黒1としても、空いているのは三カ所になりますから、真ん中に白2と打たれると「一眼」しかできないのです。四カ所空いていても、形によって死んでいますから要注意です。

26図


・ では、別な形も勉強しておきましょう。27図のような曲がった形で四カ所空いている場合は生きるでしょうか。

27図

28図、先に白1と打たれても、黒2で空間が二カ所になりますから、これは生きています。

28図


また、29図の白1の方に打たれても、黒2で大丈夫です。曲がった形の四カ所なら生きているのです。

29図


f.五カ所では
・ 今度は、五カ所空いている場合です。30図の形は生きているでしょうか。

30図

31図、黒番で、先に黒1と打てば、黒の空いているところが二カ所になりますから、これは生きています。

31図

32図、しかし、白から先に白1と打たれると困るのです。黒2と打っても、白3で黒の空いているところが二カ所できません。次の黒から×印に打って、白1、白3の二子を取っても無駄ですね。

32図

33図の形で、黒1と打っても白2で全部取られてしまいます。

33図


黒1と打たなくても、34図、白1と打てば、黒2と取っても、

34図


35図のように、白1と打たれて黒は「二眼」できません。空いているところが5カ所あっても、形によっては死ぬことがありますから、注意が必要です。

35図


●5日目…生き死に


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