●8日目…手筋とコツ
[4]一線のヨセ
・ 碁盤の一番端の一線には、特殊な働きがあります。よく理解しておかないと、互いの地の境界線を決めるときに、思わぬ損をしますから注意しましょう。
・ 1図、上辺がテーマです。×印のところは、どうなっているのでしょう。黒番と白番の両方を考えてください。
・ 2図、まず黒番では、黒1と黒地を増やしながら、白を減らします。白2には黒3と連絡することを忘れてはいけません。黒3を忘れると大変です。
2図
・ 3図、白1で黒一子が取られてしまいます。黒2で止めなければなりませんから、だいぶ損をしました。
3図
・ 4図、白番も同じように、白1と打ちます。黒2に白3で、境界線が確定しました。
4図
・ 5図、白の形が変わりました。形が変われば、結果も違ってきます。まず、黒番で考えてください。
・ 6図、黒1と打つのは同じです。白2に黒3と連絡した後、ここで白は注意が必要です。
6図
・ 7図、白1と自分も連絡しなければならないのです。これなら白は安全ですが、もし白1と省くと、黒にチャンスが訪れます。
・ 8図、黒1と切られると、白△が取られてしまいます。白2と逃げても、黒3でいけません。これでは、せっかく作った白地が消えてしまいます。
・ 9図、では、白番ならどうでしょう。白1には黒2と止めます。白3が必要ですが、黒はこのまま放っておいて大丈夫です。黒△の存在が、黒の手抜きを可能にしています。この後、(次の図へ)
・ 10図、白1と切っても、黒2で自分が取られてしまいます。黒△に石があれば、黒は手抜きできるのです。
・ 11図、上辺の境界線がテーマです。これも黒番と白番の両方考えてください。どちらも癖のある形をしていますから、油断はできません。
・ 12図、まず黒番です。黒1に白2と止めます。黒3と連絡することを忘れてはいけません。白4も必要です。白4を打たないと、(次の図へ)
12図
・ 13図、白が手を抜くと、黒1で困ります。白2で二子を連絡すれば、黒3と白一子を取られます。
13図
・ 14図、白から打てば、白1から黒4までになります。黒4を打たないと、(次の図へ)
14図
・ 15図、白1に切られて困ります。黒2は白3で取られです。
15図
・ 16図、また少し形が変わりました。まず、黒番で考えてください。
・ 17図、黒番なら、黒1と打ちます。ここで白は注意が必要です。似たような形でも、微妙な差が大きな違いを生みます。
・ 18図、白1は失敗です。次に黒の「手筋」が飛んでくるでしょう。
・ 19図、黒1と切られて、白が困っています。白2と一線の黒を取れば、黒3で白△二子が取られてしまいます。続いて、
・ 20図、白1と連絡しても、黒2で全部取られです。白3、白5と隅に逃げても、黒4、黒6で白は全滅です。白1で、(次の図へ)
20図
・ 21図、白1なら黒2で白二子を取ります。この後は、(次の図へ)
21図
・ 22図、白1と取り返すことができますが、黒2と隅を止めて、黒がだいぶ得をしました。
22図
・ 23図、黒1に白2と二子を逃げれば、黒3で一線の白石を取ります。左上の白地が減りました。
23図
・ 24図、×印に白石がない場合は、黒1には、白2と横に逃げなければなりません。これなら、ひどい目にはあいません。
・ 25図、黒1までしか入れませんから、白2と止めることができます。黒3の連絡が必要ですから、白4と打てば、×印の地点が1目の地になります。
・ 一線は、いろいろな変化が起こるところですから、その特徴を早くつかんでください。初めは戸惑うこともあると思いますが、対局を重ねれば慣れてきますから、失敗しても気にすることはありません。
●8日目…手筋とコツ