中国囲碁ニュース
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韓国が主催する正官庄杯と中国が主催する黄竜士杯が歴史的な記録となったあと、韓国は2022年に三国女子囲碁勝ち抜き戦の継続として、湖盤杯世界女子覇王戦が開催される。中国、日本、韓国からそれぞれ 5 名の女子選手が団体で競い合い、囲碁ファンにとって最もエキサイティングな対局である。
第1ラウンドは5月22日から28日までオンラインで全7局行われ、中国女子のパイオニアである呉依銘三段(16歳)が仲邑菫二段(13歳)、李瑟珠初段(16歳)、鈴木歩七段(39歳)、許瑞玹三段(20歳)、謝依旻七段(33歳)に勝ち抜き、この大会ではじめての5連勝を達成し、中国の昇段規定により四段に昇段した。以降、韓国の金彩瑛七段(26歳)と日本の藤沢里菜五段(24歳)がそれぞれ1局勝ち取った。
5 か月待ったあと、第 2 ラウンドは10 月 15 日から 20 日までオンラインで継続された。故郷の大慶市で2か月間の防疫を終え、北京に戻ってきた李赫五段(30歳)はまるで密室稽古から出てきたグランドマスターのように、藤沢五段と呉侑珍九段(24歳)に連勝し、中国チームに大きなアドバンテージをもたらした。
日本チーム主将の上野愛咲美四段(20歳)は最後の砦を争っていたが、「ハンマー」の威力を発揮し、李赫五段、(26歳)、陸敏全六段を破った。特に世界一の崔九段に完勝を獲得したことは素晴らしかった。 崔九段は黒星から学び、半月後の三星杯ワールド囲碁マスターズで女子新記録を打ち立てたのは、上野四段に刺激されたのではないだろうか。
10月20日、第1回湖盤杯の第13局で、中国チーム副将の周泓余六段(20歳)が上野四段を破り、主将の於之瑩七段は出場しないままで中国は優勝を飾った。女子団体戦で日本チームが10年ぶりの準優勝、韓国チームがまさかの最下位に終わるなど、緊張感と驚きに満ちたリングバトルとなった。
( 記事/写真:易非 )
11月前半、中国の囲碁ファンは大きな悲しみから大きな喜びへと移り、その前の週はまだ呻き声を上げていたが、翌週にはまた180度変わって誇りに変わった。これはすべて、韓国が主催する 2 つの伝統的な世界大会、三星杯とLG 杯に由来する。
2022 年の三星火災杯世界囲碁マスターズは、10 月 27 日に開始され、11 月 8 日に終了した。大会進行のペースが速いが、これは激しい時代が取り決めたことである。今年の三星杯の中国棋士の成績は、1回戦が5勝6敗、2回戦が1勝4敗と低調で、準々決勝に進出したのは楊鼎新九段(24歳)のみだった。しかしながら楊九段も準々決勝で崔精九段に(26歳)敗れた。韓国の棋士が三星杯で初めてトップ 4 を席巻した後、崔九段が引き続き卞相壹九段 (25 歳) を破り、囲碁世界選手権の決勝に進出した最初の女性棋士となった。これは囲碁界全体に衝撃を与えた。申真諝九段(22歳)の雄関を突破できなかったが、崔九段は囲碁の歴史に自分の名前を刻んだ。
三星杯が終わってからわずか4日後、第27回LG杯世界囲碁棋王戦が開幕した。11月13日、中国チームは羋昱廷九段(26歳)と柯潔九段(25歳)がそれぞれ申真諝九段と姜東潤九段(33歳)に敗れ、絶望に陥った。幸い、丁浩九段(22歳)が金明訓九段(25歳)、姜東潤九段を連続で破り、史上初のワールドシリーズ決勝進出を果たした。楊鼎新九段も三星火災杯の敗退から学び、11月17日の準決勝戦では、過去2年間、中国棋士に負けるのが難しかった申真諝九段(国際大会で24連勝)を破り、中国棋士の優勝に貢献した。
中国と韓国、相互の勝ち負けはより多くの人々の注目を集め、「氷と火のような2つの天国」の中国囲碁界は11月に多くの批判を受け、また多くの称賛を受けた。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
中国大棋士戦は、2021 年に広東省深圳で開始された新しい棋戦である。第1回は丁浩九段(22 歳) が優勝した。2回目からは挑戦制が採用され、丁九段は挑戦者を決める厳しい戦いを王座から眺めることとなる。
本戦は32名の棋士によるトーナメントで、10月8日から10日、11月17日から19日にかけてオンライン2回戦の後、深圳で対面対局3回戦を経て挑戦者を決定する。羋昱廷九段(26歳)が彭立尭九段(30歳)、謝科九段(22歳)、辜梓豪九段(24歳)、唐韋星九段(29歳)、楊楷文九段(25歳)に連勝し、丁九段と3番勝負を迎える。今年、甲級リーグの深圳チームに加入した柯潔九段(25歳)は、準々決勝で楊楷文九段に敗れ、低迷が続いた。本戦の準決勝で王星昊七段(18歳)に勝利した楊楷文は、九段昇格のポイントを獲得し、話題の人物となった。
11月21日と22日、丁九段は人生初の防衛戦で力を発揮し、羋九段に2局連続で中押勝ちを収め、大棋士の二連覇を達成した。柯九段がトップグループの高い勝率を失ったため、中国の囲碁コミュニティは丁九段が新世代のリーダー棋士になることをますます期待している。
ちなみに、大棋士戦の優勝と準優勝の賞金は 50 万元と 20 万元である(約 1,000 万円と 400 万円)。持ち時間は各2 時間、その後1分の秒読み5回である。
( 記事/写真:易非 )
2019年に四川省成都市で創設された聶衛平杯は、聶衛平九段(70歳)を称える棋戦で、最初の3回はベテラン選手が主役だった。2022年、第4回は大会の概要が一変し、20歳以下の16人の若手棋士がチャンピオンシップを競い、棋戦の名前も「聶衛平杯ユースマスターズ」に変更され、「先輩が新人を励む」という主旨に一新された。
第 4 回聶衛平杯の第1ラウンドは、8 月 27 日にオンラインで行われた。参加した 8 名の中国若手棋士のうち 7 名が第一回戦で勝利し、続いて第二回戦では上位 4 名を中国人棋士が独占した。2002 年以降生まれの若手棋士の中で、中国は依然として数の多さで優位を保っている。11月7日、準決勝と決勝が成都で行われ、屠暁宇七段(19歳) が李昊潼四段 (18歳) と王星昊七段 (18歳) を連続で破り、聶衛平杯発足以来、初めて優勝した中国棋士となった。
聶衛平杯で準優勝した王星昊七段は、週末に故郷の上海に戻り、第26回中国馬橋杯新人王戦の決勝に出場した。トーナメントは 3 月初旬に開幕し、決勝戦は上海でのコロナにより11 月 12 日と 13 日に延期された。過去2年間の決勝戦で屠七段に敗れていた王七段は、周泓余六段(20歳)に2-0で勝利を収め、参加資格最後の年に中国の「新人王」となった。
ちなみに、第4回聶衛平杯の優勝者と準優勝者の賞金は25万元と10万元(約500万円と200万円)で、 第26回中国新人王戦の優勝者と準優勝者の賞金は12万元と7万元(約240万円と140万円)である。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
中国福州市が主催する呉清源杯世界女子囲碁選手権は、毎年11月末の呉清源九段(1914~2014年)の祭日に決勝戦が行われる。しかし、2022 年の第 5 回は、準決勝に進出した唯一の中国棋士、王晨星五段 (31 歳) が出産を間近に控えていたため、9 月 25日から28 日に繰り上げられた。
2016年、王五段と劉星七段(37歳)はプロ棋士同士結婚し、6年後には第2子を授かった。 妊娠中は3月末に行われた第5回呉清源杯中国代表選抜戦で3勝3敗、同点の唐嘉文(18歳)とのプレーオフに半目差で勝利を収め、本戦進出を果たした。そして、7月に本戦が開幕し、韓国の曹承亜五段(24歳)、中華台北の盧鈺樺四段(25歳)に次々と逆転勝ちした。準決勝では、一人で韓国女性最強トリオと対戦する。
「母は強し」、中国囲碁界ではよくこのように言われる。中国の豊雲九段(56歳)、楊暉八段(59歳)、日本の知念薫六段(48歳)、向井千瑛六段(35歳)、韓国の金惠敏九段(36歳)は皆妊娠中に優勝したことがある。今回は王晨星五段もその勢いに乗じて、準決勝で第1回呉清源杯優勝の金彩瑛(26歳)を破り、決勝に進出した。対局はオンラインで行われた。中国の福州市が主催のため、2名の韓国棋士同士が優勝を争うシーンを避けられ、王五段の勝利は地元の人々を非常に喜ばせた。
しかし、2018年の第16回建橋杯中国女子囲碁選手権の決勝戦で、王晨星五段は当時妊娠中の蔡碧涵四段(32歳)と対戦したように、三番勝負の決戦になると、次第に体力的な不利が露呈した。王五段は、当時の蔡四段と同じく妊娠 8 か月近くだったので、継続して戦うことは困難だった。その結果、決勝戦で韓国の呉侑珍九段(24歳)に0-2で敗れ、2019年の第2回呉清源杯に続き、再び準優勝に終わった。ちなみに、優勝賞金と準優勝賞金はそれぞれ50万元と20万元(約1000万円と400万円)である。
( 記事/写真:易非 )
第24回農心杯世界囲碁最強戦の中国チームは4名の選抜とワイルドカード1枚の5名編成となった。選抜を通過したのは柁嘉熹九段(31歳)、連笑九段(28歳)、柯潔九段(25歳)と辜梓豪九段(24歳)で、ワイルドカードは農心杯で二度7連勝をした範廷鈺九段(26歳)だ。中国チームが農心杯のワイルドカードを出したのは2007年、常昊九段(45歳)以来15年ぶりだ。
過去15年間、大会開始の1年以内に世界選手権で優勝した者は、中国チームの5名リストに直接入選することになっているが、全盛期では5名入選の数を超えるほど多くの世界チャンピオンが誕生した。しかし、2021年には、国際大会での中国棋士の成績が芳しくなく、長年利用されなかったワイルドカードシステムが再び導入された。
ワイルドカードの有効性は実際に証明されている。15年前の第9回農心杯では、ワイルドカードを獲得した常昊九段が副将として出場し、睦鎮碩九段(42歳)、高尾紳路九段、李昌鎬九段(47歳)、朴永訓九段(37歳)に連勝し、中国チームが三国最強戦で初の優勝を飾った。15年後、新しいワイルドカードプレーヤーの範廷鈺九段が第1戦の出場となり、一力遼九段(25歳)、申旻埈九段(23歳)、許家元九段(24歳)に勝利を収め、中国チームは好スタートを切った。
2022年10月14日、第24回農心杯4回戦で、範九段が韓国の姜東潤九段に敗れたが、21勝を挙げて「勝ち抜き戦の王者」李昌鎬九段の19勝を上回った。まさに「農心杯の男」となった。
( 記事/写真:易非 )
中国第36回同里杯天元戦は2月に始まり、3月に挑戦者が決まった。羋昱廷九段(26歳)は7年ぶりに挑戦権を手に入れた。4月に行われる予定の挑戦シリーズはコロナのため何度も延期された後、ついに9月20日から23日にかけて、江蘇省蘇州市の同里鎮で行われた。
タイトル防衛者は、新婚の辜梓豪九段(24歳)だ。彼は前回の天元戦で楊鼎新九段(23歳)に挑戦し、天元タイトルを獲得したばかりだ。中国の天元は、近年しきりに覇者が変わっている。昔の常昊九段(45歳)の5連覇、古力九段(39歳)の6連覇、陳耀燁九段(32歳)の8連覇のようなタイトル防衛者が現れない。今回もまた、中国天元は再び新しい覇者を迎えた。
決勝戦の三番勝負では、羋昱廷は先番で1局目に勝利を収め、辜梓豪が2局目で取り戻した。決勝局では羋昱廷が大石を取り、逆転勝ちを遂げた。この棋戦初の江蘇省出身の「天元」が誕生した。「天元が故郷に帰った」と地元の囲碁愛好家たちは喜んだ。同時に、「決勝戦の2局目に勝利すれば必ず勝つ」という14年も続いた天元戦のジンクスを覆した。なお、中国天元戦の優勝賞金は40万元である。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
2022年中国CCTV杯早碁戦は9月13日から16日まで、浙江省嘉興市所属の平湖市で行われた。32名の参加者のうち時越九段(31歳)は丁浩九段(22歳)、李軒豪九段(27歳)、陶欣然九段(28歳)、廖元赫八段(21歳)及び謝爾豪九段(23歳)に連勝し、初の浙江平湖・当湖十局杯の王者となった。テレビ早碁戦では、8年ぶりの優勝であった。
時九段は若くしてその名を馳せた。2013年にLG杯世界囲碁棋王戦で優勝すると一気に世界トップ棋士の仲間入りを果たした。さらに、長い間にわたり中国囲碁ランキングのトップを占めていた。古力九段(39歳)に代わる次世代の中国の代表棋士としての期待を背負った。しかし、少し上には陳耀燁九段(32歳)が、少し下には唐韋星九段(29歳)が勢いづいていた。さらに、5歳年下の柯潔九段(25歳)は猛スピードで追いかけてくる。時越九段がトップを走った時代は瞬く間に終焉を迎えることとなった。
直近の時九段の優勝は2014年の威孚房開杯中国棋王戦だ。その後、何度も国内外の棋戦の決勝戦に入るも、結果を残すことはなかった。だがこの8年間、時九段はランキング順位を維持し、訓練を怠らなかった。それはまるで、日本の超一流棋士加藤正夫九段(1947-2004)が、「殺し屋」から「半目の王者」への転換を果たした姿に似ている。
今回時九段が優勝した平湖は、300年前の清の時代に囲碁の国手である范西屏(約1709-1769)と施襄夏(約1710―1771)が対決したいわゆる「当湖十局」が行われた場所である。偶然にも時九段は中国の古碁の研究に興味があるようだ。優勝後、時九段は「当湖十局の全力を尽くして戦うという精神に深くこころを打たれた」と述べた。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
第5回呉清源杯世界女子囲碁選手権は5月に開幕予定だったが、新型コロナウイルスの感染拡大により7月30日から8月1日に延期された。中国の棋士はようやく開催地の福建省福州市に到着できたが、残念ながら日本代表の藤沢里菜五段(23歳)が試合開始2日前に感染したため、出場を断念せざるを得なくなった。代わりに牛栄子四段(23歳)が出場した。
中国囲棋協会は今年の上半期に女流プロ棋戦を開催しなかったため、実戦経験の少ない中国チームは、全体的に不調であった。主力の周泓余六段(20歳)は日本の上野愛咲美四段(20歳)に敗退し、期待の若手棋士である李小溪二段(16歳)と呉依銘四段(15歳)は過去の韓国優勝者である崔精九段(25歳)と金彩瑛七段(26歳)を破ることができなかった。
かつての日韓のライバルたちとの激戦を強いられてきた中国選手にとって、今回の呉清源杯で中華台北チームが連戦連勝したことは、想定外であった。ワイルドカードで出場した黒嘉嘉七段(28歳)は、二世代の女流第一人者芮廼偉九段(58歳)と於之瑩七段(24歳)に連勝し、盧鈺樺四段( 24歳)も実力派の汪雨博四段と李赫五段(30歳)を制した。二人の中華台北選手が準々決勝に進出したのは、男女囲碁史上初めてのことである。特に黒嘉嘉七段は芸能界に長く携わっており、囲碁棋戦にはほとんど出場していないが、囲碁の才能は高く評価されている。
中国チームに残された唯一の希望は、王晨星五段(31歳)だ。妊娠5ヶ月の王晨星五段は曺承亜五段、盧鈺樺四段に立て続けに逆転勝ちを収め、準決勝では韓国のトップ3に対し、一人で挑む。 彼女の出産予定日は、当初予定されていた呉清源杯の決勝戦と重なっていたため、5 回目の呉清源杯は例年より早くチャンピオンが誕生する可能性がある。
( 記事/写真:易非 )
2022華為携帯杯・中国囲碁甲級リーグは、8月2日に浙江省長興で開幕し、8月11日までに8ラウンドの試合が行われた。リーグがこれほど遅くなった要因は、2021年の中国囲碁乙級リーグが新型コロナウイルス流行の影響を受け、2021年6月から2022年7月に至るまで6度延期されたためである。7月中旬まで、甲級リーグが確実にスタートできるように、最初の乙級リーグが浙江省長興で行うこととなった。浙江省湖州市に属する長興は、近年、中国囲碁リーグの絶対的な本拠地となっている。
8ラウンドの後、前回チャンピオンである蘇泊爾杭州チームは依然としてリストのトップにいる。深圳チームは、朴廷桓九段(29歳)と柯潔九段(25歳)が移籍し、さらに時越九段(31歳)を補った。成都チームも朴廷桓九段の代わりに范廷鈺九段が加入し、二チームともに優勝を狙う。10名の海外選手の内訳は、韓国8名、日本2名。去年参戦した日本の井山裕太九段(33)は2戦2敗し、去年とは正反対の成績となった。一力遼九段(25)は出番がまわってこなかった。
各チームのメンバーは下記の通り:
チーム名 | 棋士 | 外国人選手 | コーチ |
---|---|---|---|
蘇泊爾杭州チーム | 連笑九段(28)、李欽誠九段(23)、謝科九段(22)、汪涛六段(32)、李昊潼四段(18) | 申真諝九段(22) | 汪涛六段 |
龍元明城杭州队チーム | 丁浩九段(22)、夏晨琨七段(27)、金禹丞四段(18)、李澤鋭三段(17)、李欣宸二段(16) | 卞相壹九段(25) | 郭聞潮五段(33) |
成都チーム | 党毅飛九段(28)、范廷鈺九段、廖元赫八段(22)、屠暁宇七段(18)、馬逸超六段(24) | - | 宋雪林九段(60)、李亮五段(50) |
江蘇チーム | 羋昱廷九段(26)、黄云嵩七段(25)、趙晨宇九段(23)、陳賢八段(25)、劉曦五段(34)、鄭胥四段(25) | - | 丁波五段(52)、羋昱廷九段 |
江西チーム | 辜梓豪九段(24)、彭立堯八段(30)、楊楷文八段(25)、韓一洲八段(25)、柳琪峰五段(23) | - | 李康六段(35) |
北京チーム | 範胤八段(24)、劉宇航六段(21)、陳豪鑫五段(18)、趙哲倫四段(37)、胡子豪三段(15) | 金明訓九段(25) | 聶衛平九段(70)、趙哲倫四段 |
深圳チーム | 羅洗河九段(44)、時越九段、陶欣然九段(28)、柯潔九段、戎毅七段(27) | 朴廷桓九段 | 羅洗河九段 |
日照チーム | 周睿羊九段(31)、江維傑九段(30)、伊凌涛八段(22)、陳梓健七段(22)、薛冠華五段(21) | 申旻埈九段(23) | 曹大元九段(60) |
重慶チーム | 李軒豪九段(27)、楊鼎新九段(23)、何語涵六段(22)、李翔宇五段(24)、傅健恒二段(16) | - | 古力九段(39) |
上海建橋学院チーム | 李維清九段(22)、胡耀宇八段(40)、王星昊七段(18)、喬智健六段(27)、黄明宇五段(20)、王楚軒初段(15) | - | 劉世振七段(44) |
浙江チーム | 檀嘯九段(29)、許嘉陽九段(22)、童夢成八段(26)、張涛八段(31)、藍天四段(32) | 井山裕太九段 | 藍天四段 |
チベットチーム | 陳耀燁九段(32)、許皓鋐八段(21)、張強六段(30)、沈沛然六段(20)、毛睿龍五段(32) | 姜東潤九段(33) | 陳盈初段(39) |
衢州チーム | 柁嘉熹九段(31)、蒋其潤七段(21)、陳玉儂六段(24)、丁世雄五段(24)、趙甫軒初段(19) | 金志錫九段(32) | 常昊九段(45)、許頓二段(41) |
天津チーム | 唐韋星九段(29)、謝爾豪九段(23)、孟泰齢七段(35)、王沢錦六段(23)、李成森六段(22)、陳正勲五段(23) | - | 李亜春七段(60) |
上海清一チーム | 成家業四段(20)、王沢宇三段(19)、王碩三段(18)、王春暉二段(17)、葉長欣二段(15) | 一力遼九段 | 劉軼一二段(48) |
開封チーム | 古霊益七段(31)、劉兆哲六段(26)、王世一六段(21)、曹瀟陽五段(30)、楊潤東四段(22) | 李志賢九段(29) | 汪見虹九段(58) |
( 記事/写真:易非 )
2022年上半期では、中国囲碁界がコロナによる影響を受けたため、すべての棋戦が中断された。ナショナルチームが6月に四川省成都市で強化合宿訓練を行う機に乗じて、第21回中国囲碁西南棋王戦が6月18―19日に行われた。6月唯一の中国国内プロ棋戦となった。
プロ資格登録地が雲南省の柯潔九段(24歳)は実力を発揮し、重慶チームの古力九段(39歳)、李軒豪九段(27歳)、楊鼎新九段(23歳)に連勝した。また、決勝戦では貴州出身のライバル棋士唐韋星九段(29歳)に勝ち、2019年に次いで再び西南五省の棋士を凌いで頂点に立った。西南王戦の優勝賞金は25万元(約500万円)である。
「西南王」と名付けられたが、この棋戦に参加する棋士の多くがトップ棋士である。近年の優勝者は唐韋星九段、楊鼎新九段、羋昱廷九段(26歳)などのトップ棋士が多い。6年間、中国の第一人者である柯潔九段は二度、優勝を飾っている。柯九段は19年に優勝し、タイトル防衛者となったが、2020年のネット騒ぎの影響で、一度試合をあきらめた。そして棋戦が少なくなった現在、全力で試合に挑んだ結果、4局とも短い手数で完勝を収めた。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
2022年2月に終息した第23回農心辛ラーメン杯世界囲碁最強戦では、中国チームが3位(最下位)で、2016年以来の最低成績を記録した。7月、韓国棋院から第24回農心杯の招待状を受け取ると、5人のメンバー選出に注目が集まった。なぜなら、通常行われる中国チームの選抜方法では、今大会の免除資格を持つ棋士がいないからだ。2008年以降、誰一人として免除資格を持たないのは初めてのことである。
過去1年間で世界チャンピオンになった者、あるいは前回の農心杯で5連勝及び主将として試合を終わった者であれば、次回の中国チームに入ることができる。過去23回の農心杯では、常昊九段(45歳)と柯潔九段(24歳)は7回も選抜免除され、ともに最高記録を作った。また、世界チャンピオンが多い時は、その人数が多すぎて、唐韋星九段(29歳)はランキング順位が低いゆえ、2回も免除メンバーから外され、選抜資格をあきらめたこともある。
しかし、2021年は中国棋士の成績が低迷しているため、二つの条件に当てはまる棋士がいない。ゼロからのスタートとなる。7月12日から14日、ナショナルチームが主催する16人枠の選抜戦では、柯潔九段、柁嘉熹九段(31歳)、連笑九段(27歳)、辜梓豪九段(24歳)が2連勝し、メンバー入りを果たした。柁九段は2008年の第10回農心杯中国チームの選抜戦で勝ち抜いた経験がある。14年過ぎた今でもトップ棋士の最高峰に君臨していることに、感服せざるを得ない。
最後の一人はワイルドカード形式で決まる。前回ワイルドカードが発動されたのは2007年のことだった。当時ワイルドカードで参加した常昊九段が試合を終わらせ、中国チームの農心杯初優勝を導いた。15年過ぎた今、状況が一変し、中国チームもまたゼロからやり直すこととなる。
( 記事/写真:易非 )
2022年4月から、北京、上海のコロナ感染対策が一層厳しくなり、「静態管理」「在宅勤務」などが生活のテーマとなった。このような状況のため、国家チームは60年の歴史がある本拠地の北京を離れ、5月16日から6月5日まで、浙江省衢州市で強化合宿訓練を行うことを決めた。その間に、韓国が主催する湖盤杯ソウル新聞世界女子囲碁覇王戦、LG杯朝鮮日報棋王戦と、日本が主催するGLOBIS杯世界囲碁U20戦に参加することになっている。
アジア大会中国チームの選抜戦が行われた衢州は、あの有名な囲碁典故「爛柯」の出所――「爛柯山」を拠点にし、近年「国際囲碁文化交流センター」を建設した地域だ。ちなみに、「爛柯」というのは晋朝の木こりの”王質”が山に入り、芝を刈ろうとしたときに仙人が囲碁をしているのを見かけ、それに見とれて時間さえ忘れてしまった。気が付いたら、持っている斧の柄も腐ってしまっていて、そして家に帰ると、もう何十年も過ぎていたことを知るという物語。この物語は日本の「浦島太郎」とよく似ている。
成績から見れば、強化合宿訓練の効果は目覚ましい。呉依銘三段(15歳)は湖盤杯で中国チームの先鋒として出場し、5連勝した。おかげで、中国チームのほかの四人は第1ラウンドで出番が回ってこなかった。LG杯では中国の柯潔九段(24歳)、羋昱廷九段(26歳)、楊鼎新九段(23歳)、丁浩九段(22歳)の四人が8強に入った。そして、王星昊七段(18歳)はGLOBIS杯で全勝して優勝を飾り、史上初の連覇者となった。
6月6日、中国囲碁チームは再び遠征の道のりに出た。次の段階の強化合宿訓練のため、四川省成都市の都江堰へ移動する。
( 記事/写真:易非 )
5月25日から27日、第3回嵊州杯中国囲碁王中王争覇戦が浙江省嵊州市で開幕した。2019年3月に創立されたこの棋戦には、前年度の獲得賞金上位8名のタイトルホルダーが参加する。第1回の出場者は、柯潔(百霊杯・三星杯)、陳耀燁(天府杯)、謝爾豪(LG杯)、連笑(棋聖・天元)、羋昱廷(名人)、檀嘯(衢州爛柯杯)、范廷鈺(CCTV杯)、辜梓豪(阿含・桐山杯)だ。初代チャンピオンは、謝爾豪九段(23歳)。
コロナ流行の影響で、第2回王中王戦は2020年10月にようやく始まった。一年半の時を経て、8名の棋士の獲得タイトルも、謝爾豪(王中王)、楊鼎新(LG杯)、唐韋星(三星杯)、柯潔(棋聖)、羋昱廷(名人)、連笑(天元)、丁浩(CCTV杯)、范廷鈺(阿含・桐山杯)に様変わりした。第二回目のチャンピオンは、下馬評通り柯潔九段(24歳)。
2021年に行われる予定だった第3回王中王戦は、2022年5月に延長された。前回同様、一年半の延長となった。その間、大会数自体が大幅に減少したため、参加者は8名を下回った。羋昱廷(夢百合杯)、柯潔(棋聖)、丁浩(大棋士)、楊鼎新(天元)、辜梓豪(天元)、許嘉陽(衢州爛柯杯)、李軒豪(衢州爛柯杯)のほか、アジア大会中国チーム選抜戦の優勝者、范廷鈺を特別招待してようやく開催に至った。開催が一年半延長されたため、天元戦と衢州爛柯杯では2人の優勝者が誕生している。
絶好調の李軒豪九段(27歳)はアジア競技大会の選抜戦に選ばれてから、その勢いが止まらない。4月末に50万元(約1000万円)の衢州爛柯杯を勝ち取り、また5月には許嘉陽八段(22歳)、辜梓豪九段(24歳)、范廷鈺九段(25歳)に連勝し、中国国内最高賞金の100万元(約2000万円)を勝ち取った。この2大タイトルの合計賞金額は、ほぼ世界チャンピオンに等しい。また、李九段が対局中に放ったAIのような一手は、その正確性から観客を驚かせた。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )
4月に入って、中国各地のコロナ感染対策がどんどん厳しくなり、それで、囲碁棋戦はまた2020年の前半のように停滞に陥っている。4月22日に国家チームがアジア競技大会選抜のための合同訓練を終わらせたあと、棋士たちはそのまま浙江省衢州市に残り、その間の時間を利用して第9回衢州・爛柯杯中国囲碁チャンピオン戦を行った。
ランキング上位の32名の棋士によるトーナメントで、アジア競技大会選抜戦で突破したばかりの棋士たちはそれぞれの道をたどり着いた。柯潔九段(24歳)、辜梓豪九段は1回戦でいきなり廖元赫八段(21歳)、李欽誠九段(23歳)に負けた。一方、范廷鈺九段(25歳)と李軒豪九段(27歳)は決勝戦に入った。アジア競技大会選抜戦で1勝8敗で低迷している丁浩九段(22歳)はなかなか復帰できず、1回戦で李軒豪九段に負けた。
参加した棋士の中で最年少の王星昊七段(18歳)は童夢成八段(26歳)と楊鼎新九段(23歳)に連勝し、中国囲碁ファンの未来の星となったが、同じ上海出身の先輩范廷鈺九段に壁を越えられなかった。そして、前回の優勝者許嘉陽九段(22歳)はかろうじて4強に入ったが、準決勝戦では李軒豪九段に負けてしまい、これで、いままでの衢州・爛柯杯では連覇者が一人もいなかった。
決勝戦の二人、范九段も李九段も20日間で21局高強度の試合をしてきた「鉄人」だった。李九段は実力をよく発揮し中押勝ちで初めての棋戦優勝を果たして、「遅れてきた春」とも言えよう。ちなみに、衢州・爛柯杯の優勝賞金は50万元である(約950万円)
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四年に一回のアジア競技大会は2022年に中国浙江省杭州市で行われることになっている。2010年に広東省広州市で開かれてから、12年ぶりにアジアの体育盛会が再び中国に舞い戻った。広州アジア競技大会と同じように、中国の伝統文化――囲碁や中国将棋なども正式種目になった。これは囲碁がオリンピック種目に一番近い試みである。
12年の待ち時間はどの棋士にとっても、ほぼ一生に1回しかないチャンスであり、一番得難い大会ともいえよう。2010年、常昊九段(45歳)、古力九段(39歳)は中国囲碁チームを率いて出場したが、うまくいかなくて銀メダルを3枚しか取れなかった。12年後、前の恥をすすぐために、中国囲碁協会はハイレベルの選抜戦を計画し、4月9日から22日まで浙江省衢州市「国家囲碁訓練基地」で行われた。
試合で男子6人、女子4人を選抜する予定だった。男女ともに、予選戦、決勝戦の2段階になっていた。予選戦は総当たり戦で、15名の男子棋士から5人、10名の女流棋士から4人を選抜する。そして、ランキング上位のシード棋士、男子5人、女子4人とそれぞれ決勝戦で戦う。決勝戦では男子10人で9回の総当たり戦、女子8人で14回のダブル総当たり戦を行う。アジア競技大会のルールで1日2回戦である。対局数がこんなに頻繁である選抜戦は近年にもごくまれである。
結果、男子側は范廷鈺九段(25歳)、柯潔九段(24歳)、楊鼎新九段(23歳)、辜梓豪九段(24歳)、李軒豪九段(27歳)、柁嘉熹九段(31歳)、女子側は於之瑩六段(24歳)、陸敏全六段(23歳)、柁嘉熹九段(30歳)、周泓余六段(19歳)が選抜された。強者はやはり強者であろうと考えずにいられない。この中、柁九段と李五段は2010年アジア競技大会中国選抜戦に参加したことがある棋士である。当時入選できなかったが、12年もかたく待っていた精神には感服させられる。そして、最近好調だった丁浩九段(22歳)、謝科九段(22歳)はあと一歩のところで失敗したのは中国の囲碁ファンにとって意外だった。
しかし、残念なことに、選抜がおわってから半月後、アジア競技大会理事会は2022年9月に行われる予定の杭州アジア競技大会が延期されると公表した。12年の待ちはまだ待ち続けるようだ。
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第26回「馬橋杯」中国囲碁新人王戦の本戦は3月7日から11日に行われた。対局方式は2020年と似ている。32名の新鋭棋士によるトーナメント戦は北京、杭州でネット対局をしていた。2回も優勝した屠暁宇七段(18歳)は年齢が超えたため、参加しないことになり、2年連続2位に甘んじた王星昊六段(18歳)も今年で最後の参戦となった。新人王戦の主催側上海棋院の所属棋士として、王六段が今年どう戦うかけっこう注目されていた。
中国囲碁界の最年少プロ棋士陳家瑞初段(12歳)は本戦資格戦で二人の女流棋士――劉硯暢初段(13歳)、祝菲鴻初段(14歳)に勝ち、本戦に入った。しかし、くじ運が悪くて、1回戦で王星昊六段と出会った。王六段は1回戦の白星を取ってから、また王春暉二段(16歳)、楊智文初段(16歳)、傅健恒二段(16歳)に連勝し、はらはらしながら3度目の決勝進出を果たした。
だが、今回の新人王戦で脚光を浴びていたのは王六段一人だけではなかった。一方、女流棋士周泓余六段(19歳)は邱禹然初段(13歳)、許一笛二段(14歳)、唐嘉雯四段(18歳)、馬帥初段(16歳)を負かし続け、2019年の決勝戦進出に次いで再び決勝戦に入った。四年前、彼女は三番勝負で男子棋士陳豪鑫五段(18歳)を打ち負かし、新人王戦で優勝した二人目の女流棋士となり、女流棋士のトップにもなった。
王星昊六段と周泓余六段による第26回中国新人王戦三番勝負の決勝戦には、男女対抗、名場面再現、失地回復など、いろんな意味が含まれている。なお対戦する二人が年齢で来年参加できなくなるので、今回は「卒業試験」という意味もある。大いに期待できるだろう。だが、コロナが広がるせいで、上海市馬橋鎮で行われる予定の決勝戦はいつ開催できるかまだわからない。
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20年ほど行われてきた四都市新鋭対抗戦は、日本の菊池康郎氏(1929-2021)、中国の呉玉林六段(75歳)、韓国の許壮会九段(67歳)により提唱された。だが今は、菊池氏がこの世を去り、呉六段も許九段も引退したため、この棋戦は5年前に中止されることとなった。
2022年3月3日から5日、韓国棋院は韓国議政府市と協力して新たな国際新鋭対抗戦を創立した。各チームはそれぞれ3名のみの参加となる。四都市戦の8名よりはるかに少ないが、若手棋士にはとっては交流の場が増える。特に現在はコロナの影響によりネット対局が多い中で珍しい取り組みだ。
近年の国際棋戦で中国チームが負け続けていたため、今回は屠暁宇六段(18歳)、王星昊六段(18歳)、周泓余六段(19歳)の最強メンバーを派遣した。韓国チーム、日本チーム、中国台北チームとの対戦で中国チームは実力を存分に発揮し、全勝という素晴らしい成績で優勝を収めた。
2位は韓国チームだ。日本チームの福岡航太朗三段(16歳)は試合前に発熱したため、中国台北チームとの第1回戦は棄権負けとなった。結果、日本チームは四位となった。しかし、新星の仲邑菫二段(13歳)が女子世界チャンピオンの周泓余六段との対局で逆転勝ちを収め、今棋戦最大の話題となった。
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天元戦は、中国で最も歴史のある新聞棋戦だ。中国囲碁界では数少ないコロナ感染の影響を受けず続いてきた棋戦でもある。その第36回は2020年2月14日に行われ、計49名の棋士が天元戦に参加した。前回の優勝者辜梓豪九段(24歳)は、挑戦手合いの三番勝負で挑戦者を待ち受ける。残りの48名は全6回のトーナメント戦で一枠しかない挑戦者を奪い合う。
群雄は天下を争う。中国のトップ棋士たちによる戦いが幕を開けた。LG杯の決勝戦で痛手を負ったばかりの楊鼎新九段(23歳)は出場するや否や、すぐさま范胤八段(24歳)に負けてしまった。一方、あまり注目されていなかった韓一洲八段(24歳)が、もと天元の陳耀燁九段(32歳)、連笑九段(27歳)に連勝した。「強者は常に強者でいる」というのは囲碁界では通用しない。
中国の第一人者柯潔九段(24歳)は伊凌涛八段(21歳)、李維清九段(21歳)、范廷鈺九段(24歳)、謝科九段(22歳)に勝ち、8年ぶりに天挑戦者決定戦に勝ち進んだ。8年前の柯潔はまだ駆け出しの棋士であった。陳耀燁に挑戦し敗北してから、何年もの間天元戦に出場していない。もう一方では、羋昱廷九段(26歳)が檀嘯九段(28歳)、江維傑九段(30歳)、彭立堯八段(30歳)、柁嘉熹九段(31歳)を負かし、さらに3月2日の挑戦者決定戦では、柯九段を破り挑戦者の座を勝ち取った。
偶然にも、2014年に柯潔が陳耀燁に挑戦し失敗したが、翌年の2015年にちょうど羋昱廷が天元の挑戦権を手に入れた。しかし、柯潔も羋昱廷も、陳耀燁の天元8連覇のわき役でしかなかった。7年ぶりの天元決勝戦、羋九段は辜九段との対局でどれほどの勝算を持っているだろう。
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毎年の旧暦正月前後は、韓国が主催する二つの世界棋戦――LG杯世界棋王戦と農心杯世界団体戦――の優勝者が決まる時期である。2022年も例外ではない。2月7、9日に第26回LG杯の決勝戦が中国の楊鼎新九段と韓国の申真諝九段の間で繰り広げられた。そして、2月21日―26日に第23回農心杯の第3段階が引き続きネットで行われた。
去年の今頃は、柯潔九段(24歳)がLG杯の決勝戦で申旻埈九段(23歳)に逆転されていた。また、農心杯では主将戦で申真諝九段(21歳)に敗れた。1年が過ぎた今、今回のLG杯決勝戦に入ったのは楊鼎新九段(23歳)だ。農心杯で陣営を守るのは羋昱廷九段(26歳)と柯潔九段だ。一方、迎え撃つのはたった一人の韓国棋士、申真諝九段だ。
コロナが発生して以来、申真諝九段は確実に実力を上げてきている。勝率、状況判断力、対局に臨む姿勢、どれをとっても韓国の第一人者としてふさわしい。数で見れば中国棋士のほうが多い。申真諝九段の無敵ぶりは、まるで20年前の李昌鎬九段(45歳)が再臨したようだ。昔の囲碁ファンにとってもあの時の光景が蘇る。
LG杯では、楊鼎新九段は万全の状態で試合に臨んだ。決勝戦の1局目では、好調な出だしとなったが、ちょっとしたミスであっという間に逆転されてしまった。2局目でもチャンスをつかむことなく、0:2で負けてしまった。一方、農心杯では、申真諝九段はかつての李昌鎬九段の無双をそのまま再現した。韓国チームは、申真諝九段しか残っていない状況で、羋昱廷九段、余正麒八段(26歳)、柯潔九段、一力遼九段(24歳)に連勝し、たった一人で韓国チームを守った。
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2021華為携帯杯中国囲碁甲級リーグ戦のポストシーズンは、コロナの影響で2021年11月から2022年の1月に延期となった。次年度に跨った囲碁甲級リーグ戦は史上初。ポストシーズンでは、浙江省杭州市の二チームはどちらも勝ち進んだため、決勝戦で激突した。決勝戦では、蘇泊爾杭州チームの主将、申真諝九段(21歳)が龍元明城杭州チームの丁浩九段(21歳)に勝利したことにより、蘇泊爾杭州チームの囲碁甲級リーグ戦5度目の優勝が実現した。
今回の中国囲碁甲級リーグ戦は4段階に分けられた。すべての対局は浙江省湖州市長興県で行われた。3段階合計15試合のレギュラーシーズンが終わると、1-8位が優勝争いを、9-16位が降格をかけた戦いを繰り広げた。1ポイントでも雲泥の差となる。1ポイントで優勝圏内ということもあれば、1ポイント足りないことで甲級リーグから降格する可能性もある。今回の幸運なチームは8位の山東チームだろう。一方で9位の重慶チームは不運な結果となった。8位の山東チームも9位の重慶チームも優勝にも降格にも程遠い。乙級に降格したのは、去年乙級から甲級に上がった北京棋院チームと洛陽チームだ。ほかの囲碁甲級リーグの強豪にあと一歩届かなかった。
前回の優勝チームである江西チームは、4強戦で龍元明城杭州チームに敗れた。また、予想外にも柯潔九段(24歳)が率いる民生クレジットカード北京チームも江蘇チームに敗れた。レギュラーシーズン1位の成都チームは、優勝を期待されたが、もっとも活躍を期待されていた助人選手の朴廷恒九段(29歳)が最重要局面で、龍元明城杭州チームの金禹丞四段(17歳)と丁浩九段に敗北してしまった。成都チームはまたもや決勝戦まであと一歩のところで敗退してしまった。
1月20日に決勝戦が行われた。蘇泊爾杭州チームが5:3で勝利した様は、まるで2019年の杭州地元チームの対決を再現したようだ。まさしく囲碁甲級リーグ戦の新世代王者である。優勝賞金は100万元(約1920万円)だ。
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2003に創立された威孚房開杯中国囲碁争覇戦は伝統的な棋戦だ。2020年、新型コロナにより1年間中止となったが、2021年7月に再開され第17回が行われた。優勝賞金は15万元、準優勝賞金は6万元(約270万円、11万円)である。
北京、杭州にてオンラインで8強が決まった後、コロナの影響で第17回威孚房開杯は何度も延期された。2022年1月5日、ついに江蘇省の無錫市で本戦が行われた。7日間にわたる戦いは無事閉幕した。本戦の5ヶ月ほど前に范胤八段(24歳)、廖元赫八段(22歳)に勝利した羋昱廷九段(25歳)は、8強戦で最も勢いのある丁浩九段(22歳)に勝利した。「大棋士戦」での仇を打ち、棋王戦の最難関を突破した。
準決勝、決勝は順調に勝ち進んだ。童夢成八段(25歳)、楊楷文八段(24歳)に勝ち、羋九段は初の威孚房開杯優勝を経験した。羋九段にとって今期の優勝は長い道のりとなった。棋王に挑戦するのはこれで3度目だ。2016年、2019年と2度も準優勝に甘んじて、今期ついに悲願の優勝を収めた。さらに、羋九段は江蘇省出身の棋士として、地元での優勝にも貢献した。
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2021年の年末、広東省深圳市で新しい棋戦が誕生した。中国囲碁協会はこの棋戦を「大棋士戦」と名付けた。コロナ感染の影響で、第1回大棋士戦に参加するのはランク上位の32名の棋士だけだ。棋戦は12月24日から30日の短い期間で行われた。棋戦の1回戦、2回戦は北京、広州にてオンライン・オフライン両方で行われた。8強戦からは深圳で行われる。優勝賞金は50万元、準優勝賞金は20万元(約900万円、360万円)である。
丁浩九段(22歳)は2021年後半から、突如頭角を現した。2000年生まれの「七小龍」の中でも特に活躍しており、倡棋杯、国手戦と立て続けにタイトルを獲得した。第1回大棋士戦で丁九段は伊凌濤八段(22歳)、党毅飛九段(27歳)、戎毅八段(27歳)、彭立堯八段(29歳)に連勝し、決勝戦へと勝ち進んだ。
2021年ではもう一人注目すべき棋士がいる。天元戦・阿含・桐山杯・竜星戦の「三冠王」である辜梓豪九段(23歳)だ。2021年最後の棋戦である「大棋士戦」では、辜九段は謝爾豪九段(23歳)、趙晨宇九段(22歳)、童夢成八段(25歳)と羋昱廷九段(25歳)を打ち破り、「大棋士」というタイトル獲得まであと一歩のところまで来ていた。
決勝戦は丁九段の完勝で幕を閉じた。丁九段は2021年中国囲碁界の「三冠王」となり、辜九段と同数のタイトルを獲得した。柯潔九段(24歳)は2021年では棋聖戦とCCTV杯で優勝したが、大棋士戦では1回戦で、陳耀燁九段(32歳)に負けてしまった。
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第9回中信置業杯中国女子囲碁甲級リーグの第1―6回戦が2021年5月に上海で行われた。後の14回戦は10月に江蘇省の南京市で行われる予定であったが、南京空港で発生したコロナ感染の影響により、第7―14回戦はネットで行われた。第15-18回戦は12月24日から27日にわたり、広東省韶関市で行われた。
第7回まで連続優勝を収めた江蘇女子チームは第8回で敗退してしまったため、今期は特にチーム一丸となって奮闘していた。エースの於之瑩六段(24歳)、王晨星五段(30歳)は順調に勝ち星をあげ、第三将の若き李思璇二段(15歳)も著しい成長ぶりを見せた。江蘇チームは第17回戦で優勝が確実となり、「八冠王」となった。
江蘇チームを追いかけるのは準優勝の上海チームだ。芮乃偉九段(58歳)、唐奕四段(33歳)はこの年齢で実力を保っているのは容易なことではない。また唐嘉雯四段(17歳)の台頭も上海チームの成績に貢献した。
杭州チームは期待のホープとされる三人組、周泓余六段(19歳)、方若曦五段(19歳)、呉依銘二段(15歳)と若手棋士が揃っている。今回は三位だったが、将来が期待される。また、陸敏全六段(22歳)が率いる厦門チームは四位で、前回ダークホースとして優勝した浙江チームは五位となった。
降格争いをしている広東チームは、悔しくも山西チームとともに降格となった。山西チームの助っ人である呉侑珍九段(23歳)が9局全勝しても周泓余六段が山西チームを離れた今、呉九段と力を合わせる相手がいなくなり、今期は降格となってしまった。
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第12回中国竜星戦は浙江省杭州市で予選を行う予定であったが、新型コロナの影響で2021年の8月の末から9月の初めに延期された。対局形式もネット対戦に変更された。予選では、段嶸七段(49歳)が仇丹雲二段(42歳)、呉新宇六段(48歳)夫婦に連勝し、オーバー40のグループから再び本戦に入った。また、芮廼偉九段(58歳)が王磊八段(44歳)に敗れた後、夫の江鋳久九段(59歳)が仇討ちの形で王八段に勝利した。実に興味深い対戦であった。
本戦は9月から10月にかけ、北京のスタジオで行われた。Aグルーブの孫騰宇七段(28歳)は、感染政策のため北京へ行くことができず棄権せざるを得ない状況となった。同じグループの廖元赫八段(21歳)は、3連勝をもって準決勝へ勝ち進んだ。準決勝では辜梓豪九段(23歳)が最後の関門として立ちはだかった。Bグループの陳豪鑫五段(17歳)は4連勝し、羋昱廷九段(25歳)も同グループの決勝戦で前回の優勝者柯潔九段(24歳)に勝利した。
準決勝戦では羋九段、辜九段はそれぞれ廖八段、陳五段に勝利した。羋九段は、2016年の第7回竜星戦の優勝経験者だ。辜九段は第8回、第10回の竜星戦の予選を勝ち進めたが、二度も準決勝戦での敗北を経験している。三度目にしてついに決勝戦へと駒を進めた。
12月19日から21日にかけ、決勝戦の三番勝負が始まった。早碁は勝率が揺れ動く。1勝1敗の後、第3局目では辜九段が羋九段の26目の大石を取り中押し勝ちを収めた。2021年、辜九段は日本主催の二つの早碁棋戦、阿含・桐山杯と竜星戦で優勝した。両棋戦の優勝賞金はともに20万元(約360万円)だ。両棋戦とも決勝局は激しい戦いが繰り広げられた。見ごたえのある対局は、囲碁ファンを虜にした。
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中国の第22回阿含・桐山杯は何度もコロナの影響を受けたが、2021年9月に四川省成都市で予選が行われた。本戦の16強が決まり、11月にネットで本戦の前三回戦が行われた。中国の第一人者である柯潔九段(24歳)は、一回戦で趙晨宇八段(22歳)に敗れた。前回の優勝、準優勝の范廷鈺九段(25歳)と柁嘉熹九段(30歳)も8強戦でそれぞれ黄雲嵩八段(23歳)と辜梓豪九段(23歳)に敗れた。前回とはいえ、最後の阿含・桐山杯はコロナ発生前の2019年のことだ。
辜梓豪九段は柁九段に勝利の後、九段になったばかりの趙晨宇と対戦する準決勝戦では逆転勝ちを収めた。2018年の第20回に続き決勝戦入りした。一方、目に見える成果をあげていなかった黄雲嵩八段は唐韋星九段(28歳)、范廷鈺九段と楊鼎新九段(23歳)の3人の世界チャンピオンに連勝し、決勝戦入りを果たした。黄八段の絶頂期は2015年の阿含・桐山杯優勝だろう。今回は古巣にもどっての挑戦となった。
決勝戦は12月6日に四川省成都市の武侯祠で行われた。ここは三国史で有名な丞相諸葛亮を記念するための観光スポットである。黄雲嵩八段のハンドルネームは「軍師孔明」だが、この武侯祠では幸運に恵まれなかった。試合はたったの1時間で終了した。41子もある大石が殺されたのだ。辜梓豪九段の猛攻に耐え切れなかった。阿含・桐山杯で2度優勝した辜九段は、12月8日のネット対局で日本の阿含・桐山杯優勝者である許家元九段に勝利した。中国チームはまたもや勝利を手に入れた。
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国手戦は中国が2021年に新しく創立したタイトル戦である。20世紀の1980年代では同じ名称の棋戦もあったが、挑戦手合いのルールを採用するのは初の試みだ。
コロナの影響で、2021年第1回中国囲碁国手戦の参加者は32名に限られた。10月と12月の各予選はすべて河南省開封市で行われた。開封は昔、「汴梁」と呼ばれ、北宋王朝の首都であった。中国囲碁史上初の棋譜集『忘憂清楽集』が編成された場所でもある。開封は囲碁とは深いゆかりがあるようだ。
国手戦の優勝賞金は40万元(約720万円)だ。中国の第一人者である柯潔九段(24歳)に期待が集まる。柯九段は宿敵の唐韋星九段(28歳)、謝科九段(21歳)、陶欣然九段(27歳)、囲碁甲級リーグ戦のチームメンバーである范胤八段(24歳)に勝ち、決勝戦入りした。
今回の国手戦は丁浩九段(21歳)が柯潔九段に挑む注目の戦いとなった。彼は陳耀燁九段(32歳)、柁嘉熹九段(30歳)、檀嘯九段(20歳)、芈昱廷九段(25歳)という4人の世界チャンピオンに勝ち、決勝戦に入った。柁九段に勝利した時点で九段に昇段した。12月12日、丁九段は決勝戦で柯潔九段に完勝し、「丁国手」と呼ばれるようになった。次の第二期国手戦では、玉座に座って挑戦者を待つことになる。
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テレビ早碁戦は20世紀後半において中日韓で大いに盛り上がっていた。テレビを通じて、東アジアで囲碁が普及した。テレビの前で生放送の囲碁番組を見ることは、当時の多くのファンにとって小さい頃からの楽しみの一つであった。
時代が変わり、テレビで囲碁を見る機会が次第に減少した。同時に、テレビ早碁戦もにも影響が及んだ。2020年、三国の早碁戦の優勝者と準優勝者が出場するアジアテレビ早碁戦が中止を宣告した。また2021年、韓国KBS杯は8名の招待制となり規模を縮小した。中国CCTV杯も中国中央テレビの生放送の機会を得られず、持ち時間を農心杯三国囲碁トーナメント戦と同じ1時間に増加しただけだ。
幸い、中国CCTV杯は地方政府(浙江省平湖市)の支持を得た。平湖市は清の囲碁名手である范西屏と施襄夏が対局した「当湖十局」を記念に、囲碁をテーマにした公園を建設した。2021年のCCTV杯の決勝戦は12月5日にこの公園の楼閣で行われた。
以前まで早碁とあまり相性が良くなく、一度だけ4強に入ったことのある柯潔九段(24歳)にかつての面影はなかった。柯九段は、江維傑九段(30歳)、謝爾豪九段(23歳)、張涛七段(30歳)、彭立堯八段(29歳)、党毅飛九段(27歳)のトップ棋士5人相手に連勝し、初優勝を果たした。中国CCTV杯の優勝賞金は30万元(約530万円)である。
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第4回呉清源杯世界女子囲碁戦の決勝戦が11月30日から12月4日にかけて行われた。3名の中国棋士は中国福建省福州市で、韓国棋士の崔精九段(25歳)は韓国ソウルでネットを通して対戦した。準決勝戦で崔九段は中国の新鋭棋士である方若曦五段(19歳)に完勝した。8強戦の後、方五段は「今は彼女に及ばないが、四ヶ月後はそうとは限らない」と意気盛んに宣言したが、シナリオ通りの結果とはならなかった。
準決勝戦のもう一局は、前回の呉清源杯を再現した。於之瑩六段(24歳)が後半で王晨星五段(30歳)に逆転し、今局をもって七段へと昇段した。2年連続で決勝戦に勝ち上がった於七段の相手は、後輩の周泓余六段(19歳)から強敵である崔九段に変わった。今対戦は、女流囲碁界の天下を争う2人の女王が初めて対戦する三番勝負ということもあり、瞬く間に注目を浴びた。
しかし、決勝戦の流れも前大会同様、於七段を苦しませるものとなった。1局目は崔九段の攻撃を逆手にとった於七段の勝ちとなり、優勝まであと一歩となった。しかし2局目、3局目ともに石が複雑に絡み合う中盤で、崔九段の猛攻に耐えられず潰れてしまった。於七段は、再び優勝とすれ違うこととなった。
呉清源杯の優勝賞金は50万元、準優勝は20万元(約890万円、350万円)である。近年では最も賞金の高い女流棋戦だ。2021年の囲碁界では、Senko杯、呉清源杯の二つの女流棋戦が行われたが、於七段が一冠、崔九段が一冠となった。この2人が争覇する局面はまだまだ続くだろう。
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曹大元九段(59歳)が創立した元十九杯中国囲碁新初段争覇戦は、2019年に北京で第1回が行われた。その後、2020年のコロナ禍で一時中止になったが、2021年に再開した。10月20日から24日にかけて、この2年間で新たに初段になった棋士たちを集め、上海で第2回を開催した。参加者は63名に達した。
試合はトーナメント戦で、2020年入段グループと、2021年入段グループの2グループに分けられた。そして、2グループの優勝者が総決勝戦で戦う。2020年に入段した棋士たちは、やはり1年間鍛えてきたせいか、実力の差がうかがえる。総決勝戦では、2020年グループの優勝者である張柏清二段(17歳)が2021年グループの優勝者である韓瑾睿初段(23歳)を打ち破った。
2020年に入段した棋士の中で、葉長欣二段(14歳)、許一笛初段(14歳)、肖澤彬初段(15歳)はすでに2021年の中国囲碁甲級リーグ戦に参加していたが、誰も優勝していない。女流棋士の中で最も成績が良いのは、厳惜驀初段(14歳)だ。彼女は2020年グループでベスト8に入った。
ちなみに、「元十九」の「元」は創立者曹大元九段を指す。また、「十九」は19路盤をさす。今回の優勝賞金は7万元、準優勝は3万元である(約125万円、53万円)。
( 記事/写真:易非 )
聶衛平杯は、四川省囲碁協会が聶衛平九段(69歳)への敬意を表すために開催した棋戦である。2019年の第1回は、8名の棋士による招待棋戦だった。棋戦冠名者の聶九段は武宮正樹九段(70歳)、劉昌赫九段(55歳)に連勝したが、決勝戦で小林光一九段(69歳)に敗れた。第2回は、三国からそれぞれ四人が参戦する団体戦となった。聶九段は門下の常昊九段(45歳)、古力九段(38歳)と少女棋士の呉依銘を率いて出場したが、無念ながらまたもや準優勝となった。優勝チームは曹薰鉉九段(68歳)、李昌鎬九段(46歳)、尹畯相九段(34歳)、鄭有珍初段(15歳)からなっている韓国チームだ。
2021年の第3回聶衛平杯は10月30日から11月1日にかけてネットで行われた。中国棋士は、四川省成都市で対局をしていた。今棋戦も団体戦の形式を採用したが、聶九段、常九段、古九段に加えて、女子元老、男子新鋭と新たに二名増やし、5名対抗戦とした。
三回戦の戦いを経て、結果から判断する限り、ルールの変更は日本チームにとって最も有利となった。新たに出場した青木喜久代八段(53歳)と福岡航太朗二段(15歳)は、4局全勝し、武宮九段は宿敵の聶九段と曹九段に連勝した。そして、常昊九段を負かしたことのある山下敬吾九段(43歳)もチームに入っていた。長い間国際棋戦で日の目を見なかった日本チームは、ついに4:1で中国チーム、韓国チームに勝ち、大活躍した。
韓国は2位、中国は3位だ。それぞれの賞金は45万元、25万元、20万元(約800万円、450万円、350万円)である。
( 記事:易非 / 写真提供:sinaサイト )