10日で勉強!囲碁ノート

2日目…地を広げる - [5]効率のいい打ち方

囲碁は自分の陣地を広げて、相手よりたくさん作った方が勝ちになるゲームです。自分の陣地を「地(じ)」と言って、碁盤の上の19×19路の線の交差点の一つ一つを、何目の地と数えます。この自分の地を互いに増やし合うのと同時に、相手の地を減らしていきます。自分の地を10目増やすのと、相手の地を10目減らすのは同じ価値があるからです。そこで、さまざまな争いが起こり、複雑なゲーム性が生まれるのです。少しずつ、ゲームのコツを覚えていきましょう。

●2日目…地を広げる


[5]効率のいい打ち方

地を増やすには、効率のいい打ち方があります。何でもコツをつかむと、後が楽になりますから、少しずつ勉強していきましょう。
22図 黒1から黒7まで、幅広く打っています。これは効率がいい打ち方です。×印の(3×9)が黒地になりそうです。白は白2から白8まで、狭いところを囲いました。これは見るからに効率が悪いですね。×印の(1×9)では寂しい限りです。これでは、黒が勝つのが確実です。

22図

23図 これも、黒1から9まで、黒がのびのびと打っています。右の方向に大きな黒地ができそうです。白は白2から白8まで、左側に白地を作りましたが、パッと見ただけで右側の黒地に比べて白地が狭いのが分かるでしょう。白はもう少し効率のいい打ち方をしなければなりません。

23図


24図 黒1は前図と同じですが、白2を中の方に寄せてみました。黒3、黒5と右側を黒の陣地にしましたが、白4、白6で白も左側を陣地にしました。これなら、黒と白が互角に渡り合っています。

24図


25図 今度は、黒が黒1から黒5までの黒地を確保する間に、白は白2から白6まで自分の陣地を大きく広げました。こうなるまえに、黒はもっと工夫をしなければなりません。

25図

26図 黒5で工夫しました。黒が打たないところへ、白6と打てば、黒7と左上を占めます。白8まで下辺の矢印の方向は白地です。黒9となれば、上辺から右上と左上に広がった黒地が多くなりました。このように試行錯誤しながら、効率のいい打ち方を求めていきます。

26図

【実戦例③】27図 黒1、黒3で黒は右下の方向に黒の陣地を作ろうとしています。白は白2から白4と相手の石にくっつけて、黒との境界線をぎりぎりまで白の陣地にして、黒に対抗しています。黒5に白6から白8と決めて、左側が目一杯の白地になりそうです。

27図


28図 続いて、黒は右側を全部黒地にしたいですから、黒1と打って、白が右側に入って来るのを止めにいきました。黒7までで、だいたい止まりましたが、白も白2から白6まで左側を頑張って白地にしました。お互いに効率のいい打ち方をしています。

28図


29図 白1から黒6で下辺が決まりました。どうしてこういう打ち方をするのかは、だんだんに勉強していきましょう。今は順番に打ち方を見ていただくだけで十分です。白7から黒10まで、上辺も決まって、これで終局です。

29図



●2日目…地を広げる


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