●3日目…石の取り方、地の囲い方
[2]逃げ方
a.ツグ
取るのと同じ価値があるのが、逃げることです。取るのが大きい手であれば、取られないことも同じ大きさがあるのがふつうです。また、取り方がうまくなれば、逃げ方もうまくなる理屈です。逃げ方にも単純な方法と、ちょっとしたコツを要するものがありますから、少しずつ勉強していきましょう。
37図、白△四子は逃げられるでしょうか。周囲を黒に囲われていて、残るポイントは×印の一カ所です。そこを黒に占められては、白△四子が取られてしまいます。
38図、黒1と打たれれば、白△四子を抜かれますから、その前に、
38図、黒1と打たれれば、白△四子を抜かれますから、その前に、
39図、白1と下の白石と連絡する必要があります。
【応用4】形が少し変わると、意味も違ってきます。40図は、下の方の×印にあった白石がない場合です。
これでも、41図の黒1と打てば白四子は取れます。ですが、×印に白石がありませんから、。
42図、白1と逃げられても、黒2と打てば白石が取れるのです。ですから、41図は黒から何も打たなくても白石を取れていたわけです。この違いを理解することは、飛躍的に囲碁の本質に近づくことになるでしょう。
42図
では、43図はどうでしょう。今度は、前図では×印にあった白石が消えました。
44図、黒から打てば、黒1で白三子を取ることができます。
45図、白から打てば、白1で連絡です。黒2と打っても、白3とツガれれば、白が連絡しています。
45図
46図、白1に黒2の方から打っても、この黒石はすでに上と左右の三方を囲われていますから、白3と打たれれば取られです。白は黒一子を取って連絡しているのです。
46図
b.取って逃げる
相手の石を取って連絡するのは、少し高級な手法です。囲碁にはうまく打つコツがたくさんあります。ふつうの手ではうまく行かない場面でも、特別なコツのようなものを使うと問題が解決することことがあるのです。そういうのを「手筋」と言って、いい手の見本のような意味ですから大切です。「手筋」をたくさん知っていると、相手より有利になることが多いですから、本などで「手筋」という言葉が現れたら注目してください。何か役に立つことが書いてあるはずです。
「逃げる」のに、一歩一歩出ていくのもいいですが、相手の石を取って自分の石同士が連絡するのは、基本的な「手筋」の一つですから、よく理解しておきましょう。
まず、47図を見てください。中央の白五子はどうなっているのでしょうか。
48図、黒1と打てば、白五子が取れています。白2と逃げても無駄で、黒3で抜かれます。ですが、黒1は打たなくてもよかったのです。
48図
49図、白から白1と逃げても、黒2で上が止まります。白3と下に逃げても、黒4で抜かれてしまいます。
49図
50図、先に白1と下に出ても同じことです。黒2で白が逃げられません。白3なら黒4で取られます。
50図
【応用5】周囲の状況が変わると、もっと複雑になります。51図、白△が加わった形です。今度も黒から打てば、中の白五子は取れています。黒1で白五子は逃げられません。白2と出ても黒3で取られです。
ですが、白から打てば、52図、白1で白が連絡しています。黒2と打たれても、白3と黒一子を抜いて連絡します。相手の石を取って連絡するのは気持ちがいいですね。
52図
53図はどうでしょう。×印にあった白石が消えた形です。白から打って連絡するにはどうしますか。
54図、やはり、白1でいいのです。黒2には、白3と黒一子を取って連絡します。他にも、連絡する手はあります。
54図
55a図、白1の方から打っても黒2のツギに白3とツイで連絡ですが、54図のように相手の石を取って連絡する方が分かりやすいでしょう。
55a図
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