●3日目…石の取り方、地の囲い方
[3]連絡の仕方
逃げ方には、きっちり石を連結させるのと、ゆるやかに連絡する方法があります。実戦では、ゆるやかに連絡させる場合の方が多いでしょう。これは逃げるときに限らず、自分の陣形を整えるときにも有効ですから、いくつかのパターンを見ておきましょう。
a.一間トビ
55b図、黒1と打つのを、「トブ」といい、二つの黒石の間が一つしかない形ですから「一間トビ」と言います。これでだいたい連絡しています。
56図、白1と相手の石が近づいてきても、黒2と打てば黒石が連絡します。
56図
ただし、57図のように、黒二子の真ん中に白1と打たれた場合は悩みますね。この場合は、黒2と打って、これで白石の上下と右を囲っています。次に黒から×印の点に打たれたら、白1の石が取られてしまいますから、
58図、白1と逃げるしかありません。それから黒2とツゲば黒全体が連絡しています。
58図
この後、59図、白1と切っても、黒2と上から打って白1の石が取られます。白3に逃げても黒4で、もう白は逃げ場がありません。
59図
ですから、60図のように、黒が一間トビを連打している形は、だいたい連絡しています。
61図は黒も白も一間トビですが、両方とも連絡形です。
b.二間トビ
連絡形で、もう少し広がったのが、62図の黒1です。これは間が二つですから、「二間トビ」と言います。これもだいたい連絡しています。
63図、白1と近づいてきても、黒2で連絡しています。黒2と黒△の石が「一間トビ」になっていますから、もう安心ですね。
64図、白1とくっついてきても、黒2と下から打って連絡しています。白3にも黒4で大丈夫ですね。
64図
c.三間トビ
連絡形としては、「一間トビ」と「二間トビ」が基本です。65図の黒1は間が三つですから、「三間トビ」になりますが、これは陣形を広げる手ではありますが、連絡形ではありません。
66図、白1と間に入られると、黒二子が分断されます。
連絡形ではなくても、それが悪いというのではありません。ここが囲碁の面白いところで、いろいろな考え方ができるのです。直接、石を連絡できなくても、67図のように、黒1、白2、黒3とそれぞれ「一間トビ」したことを想定すると、黒は上と下に別々に陣形を作ることができますから、連絡できなくても他に打ち方があるわけです。今は細かいことまで理解することはありません。連絡したいときは、「一間トビ」か「二間トビ」が便利で、とくに連絡しなくてもいい場合は、もっと広く「三間トビ」でもいいし、さらに遠くても構わないのだと、なんとなく頭に入れておけば十分でしょう。
67図
●3日目…石の取り方、地の囲い方